三重県のお土産といえば、やっぱり「赤福」ですよね。
伊勢神宮へのお参りには欠かせない、あの滑らかなあんこと柔らかいお餅のハーモニーは、まさに伊勢の心とも言える存在です。
でも、高速道路のサービスエリアやお土産屋さんで、「あれ?これ赤福に似てるけど、ちょっと違う?」と戸惑ったり、インターネット上で「赤福 偽物」なんていうショッキングな検索キーワードを目にして、不安になったりしたことはありませんか?
実は、「赤福の偽物」と一口に言っても、その中身には大きく分けて3つのパターンがあるんです。
一つは、赤福によく似ているけれど、決して偽物ではない「歴史あるライバル商品」。
二つ目は、過去に世間を騒がせてしまった消費期限に関する「偽りの記憶」。
そして三つ目は、現在進行形で私たち消費者を脅かしている、Amazonやメルカリなどでの「転売による偽物化」のリスクです。
この記事では、三重県をこよなく愛する私、まるこが、これらの「赤福の偽物」にまつわる疑問を徹底的に調査し、分かりやすく解説します。
類似品との正しい見分け方から、過去の事件の真相、そして今一番気をつけなければならない転売品の危険性まで。
正しい知識を身につけて、安心して本物の伊勢の銘菓を存分に楽しみましょう。
- 赤福とよく似た「御福餅」や「伊賀福」との明確な違いとそれぞれの魅力
- 2007年に発覚し、世間を揺るがした「まき直し」と呼ばれる偽装事件の真相
- Amazonやメルカリなどで横行する転売品がなぜ「危険な偽物」なのか
- 本物そっくりの食品サンプルや、公式キャラクター「赤太郎」のグッズ情報
赤福の偽物と誤解される類似品の真実
「赤福の偽物があるらしい」「パクリ商品が売られている」……そんな噂を耳にすることがありますが、多くの場合、それは誤解です。
三重県内や近隣のエリアで販売されている、赤福によく似たあんころ餅たち。
これらは単なる模倣品ではなく、実はそれぞれに独自の歴史やこだわり、そして熱心なファンを持つ「別の名物」なのです。
ここでは、特によく混同される商品について、その違いや特徴を深掘りしていきましょう。
御福餅はパクリではなく歴史ある名菓
赤福と一番間違えられやすく、時には「赤福の偽物」と不名誉な呼ばれ方をしてしまうのが、ピンク色のパッケージがそっくりな「御福餅(おふくもち)」です。

お土産屋さんで並んでいるのを見て、「これ、赤福のパクリじゃないの?」と思ってしまった方もいるかもしれません。
でも、声を大にして言わせてください。御福餅は決してパクリ商品ではありません。
歴史を紐解いてみましょう。赤福の創業は江戸時代の1707年(宝永4年)。これに対して、御福餅の創業は1738年(元文3年)です。
確かに赤福の方が30年ほど先輩ではありますが、御福餅もまた、280年以上の歴史を誇る超老舗なのです。
江戸時代、お伊勢参りで賑わう街道沿いには、数多くの餅屋が軒を連ねていたと言われています。長い歴史の淘汰を経て、現代まで生き残ったのが、この「赤福」と「御福餅」の2社なのです。
つまり、この2つは「本物と偽物」の関係ではなく、共に伊勢の餅文化を支えてきた「歴史的な戦友でありライバル」と呼ぶべき存在です。
地元・伊勢では、「私は手作りの温かみがある御福餅派」「やっぱり洗練された赤福派」といった具合に、それぞれの家庭や好みによって贔屓(ひいき)が分かれるほど、どちらも深く愛されているんですよ。
赤福と御福餅や伊賀福の違いを比較
「歴史がすごいのは分かったけど、結局どう違うの?」「食べ比べて分かるものなの?」と疑問に思う方も多いでしょう。
パッと見ただけでは、どちらもこし餡で餅を包んだ「あんころ餅」で、指の跡がついた形もそっくりです。
しかし、詳しく観察してみると、その形状に込められた意味や、製造プロセスに決定的な違いがあることが分かります。
最大の違いは、その形が表現している「伊勢の景色」です。赤福は、伊勢神宮の神域を流れる「五十鈴川(いすずがわ)の清流」を表現しており、三筋の指跡は川の流れを、白いお餅は川底の小石を表しています。
対して御福餅は、二見浦(ふたみがうら)の「波」を表現しており、指跡は夫婦岩に打ち寄せる荒波をイメージしているのです。
| 比較項目 | 赤福餅 | 御福餅 |
|---|---|---|
| モチーフ | 五十鈴川の清流 | 二見浦の波 |
| 製造方法 | 機械製造(形が均一) | 職人の手詰め(手作り) |
| あんこの色 | 濃い紫がかった小豆色 | 少し淡い自然な小豆色 |
| 食感の特徴 | 滑らかで洗練された味、餅の伸びが良い | 小豆の風味が強く素朴な味、手仕事の跡 |
| 付属のヘラ | 「あかふく」の文字入り | 「おかめ」のマーク入り |
また、製造方法の違いも味に大きく影響しています。
赤福は機械化が進んでおり、いつ食べても変わらない「均一な美しさ」と「滑らかな口溶け」を実現しています。
一方、御福餅は今でも職人さんが指で餡を詰める「手詰め」にこだわっています。
そのため、一つひとつ形に微妙な揺らぎがあり、それが手作りならではの「温かみ」や「食感のアクセント」を生み出しているのです。
どちらが上ということではなく、それぞれの個性を楽しむのが通の味わい方と言えるでしょう。
サービスエリアにある伊賀福の特徴
伊勢神宮へ向かう途中、名阪国道の「伊賀サービスエリア」などで休憩した際に、「おっ、赤福が売ってる!」と思って手に取ったら、「伊賀福(いがふく)」だった……という経験はありませんか?

これもまた、「赤福の偽物?」と検索される原因の一つになっています。
「伊賀福」も、赤福や御福餅と同じスタイルのあんころ餅ですが、こちらはその名の通り、忍者の里として有名な三重県伊賀地方のお土産です。
伊勢志摩エリアの名物である赤福とは、明確に出身地が異なります。
伊賀福のパッケージもピンク色でよく似ていますが、よく見ると伊賀上野城や俳聖・松尾芭蕉、そして忍者のイラストなどが描かれていることがあり、伊賀らしさをアピールしています。
味については、赤福や御福餅と比較されることが多いですが、「伊賀福の方が甘みが強い」「お餅がしっかりしている」といった感想を持つ方もいるようです。
サービスエリアでしか出会えないレアな存在として、伊賀福もまた、旅の疲れを癒やす甘味として親しまれています。
パッケージの色やデザインの見分け方
それにしても、なぜこれほどまでに混同されてしまうのでしょうか。一番の要因は、やはり「パッケージがどれもピンク色の和紙調」であるという点に尽きます。
遠目に見ると、デザインの構成や雰囲気が本当によく似ていて、急いでいる時などは間違えて手に取ってしまうのも無理はありません。
では、店頭でパッと見分けるにはどこを見ればいいのでしょうか?それぞれのパッケージには、そのお菓子が象徴する「伊勢のランドマーク」が描かれています。
ここをチェック!イラストで見分ける決定版
- 赤福:伊勢神宮の入り口にかかる「宇治橋(うじばし)」が描かれています。神聖な橋の欄干にある「擬宝珠(ぎぼし)」が特徴的です。
- 御福餅:二見浦のシンボル「夫婦岩(めおといわ)」が描かれています。海に浮かぶ大小二つの岩が目印です。
実は歴史を遡ると、かつては御福餅のパッケージにも橋の絵が描かれていた時期があり、その頃は本当に区別がつかなかったと言われています。
現在は明確にデザインが分けられていますが、「伊勢のあんころ餅といえばピンク色の箱」というイメージが地域全体で共有されているため、あえて似たトーンマナ(デザイン様式)が守られているのかもしれません。
食品サンプルやストラップ等のグッズ
ここまでは「食べて美味しい類似品」のお話でしたが、世の中には「食べられないけど楽しい偽物」も存在します。
赤福ファンなら思わず欲しくなってしまう、食品サンプルやグッズの世界です。
赤福のあの独特な三筋の形は、造形としても非常に魅力的ですよね。
お土産屋さんやネットショップでは、本物そっくりの赤福餅を模したストラップ、キーホルダー、根付けなどが販売されています。
ツヤツヤした餡の質感やお餅の柔らかそうな見た目まで再現されており、見ているだけでお腹が空いてきそうです。
これらはもちろん「偽物」ですが、旅の思い出やネタとして楽しむには最高のアイテムです。
また、赤福の公式キャラクターである「赤太郎」をご存知でしょうか?1960年代からテレビCMで「ええじゃないか」と踊っていたあのキャラクターです。
おかげ横丁などにある直営店や「赤太郎ショップ」では、赤太郎のキーホルダーや文房具などの公式グッズも販売されています。
こうした「公認のキャラクターグッズ」も、コレクター心をくすぐる素敵なアイテムですね。
赤福の偽物トラブルや転売のリスク

さて、ここからは記事の雰囲気を少し変えて、真面目な注意喚起のお話をさせてください。
御福餅などの類似品は、伊勢の文化として愛すべき存在ですが、ここで取り上げるのは、消費者の信頼を裏切る「悪質な偽り」や、健康被害にも繋がりかねない「危険な偽物」についてです。
過去に起きた賞味期限の偽装事件
「赤福 偽物」と検索すると、過去のニュース記事などがヒットすることがあります。
特に、2007年に発覚した「消費期限偽装事件」は、赤福というブランドにとって最大の危機であり、私たち地元民にとっても忘れられない衝撃的な出来事でした。
この事件は、商品そのものが偽物だったわけではありません。
しかし、パッケージに印字された製造日や消費期限が「偽り」であったという意味で、消費者の信頼を根本から裏切るものでした。
当時、赤福はJAS法違反および食品衛生法違反により、三重県から「無期限の営業禁止処分」を受けました。
創業300年という記念すべき年に全店舗のシャッターが下ろされ、伊勢の街から赤福の姿が消えてしまったのです。
まき直しと呼ばれた手口の真相
では、具体的にどのような偽装が行われていたのでしょうか。
調査によって明らかになったのは、社内で「まき直し」という隠語で呼ばれていた組織的な不正の手口でした。
赤福餅は鮮度が命の生菓子ですが、日によって売れ行きは変動します。
そこで当時の赤福では、売れ残った商品や、あらかじめ余分に製造した商品をそのまま冷凍庫で保管していました。
そして、注文が入ったり店頭在庫が足りなくなったりしたタイミングで解凍し、「解凍したその日」や「再包装した日」を新しい「製造日」として、新しい包装紙(まき紙)に巻き直して出荷していたのです。
さらに、「むき餡」と呼ばれる、さらに衝撃的な再利用も行われていました。
店頭から回収された売れ残りの赤福餅を水槽に入れ、餡とお餅に分離。お餅は蒸し直して新しい餅の原料に混ぜ、餡は再加熱して別の商品や関連会社へ転売していたのです。
これは、「作りたて」を信じて購入してくれたお客様への背信行為以外の何物でもありませんでした。
現在の赤福は安全です
この事件を猛省し、赤福は経営体制を完全に刷新しました。
現在は、製造日時の管理を徹底するため、包装紙の巻き替えだけでは改ざんできないよう、パッケージの側面に製造年月日や消費期限を直接印字する専用の機械を導入しています。
また、JANコードによるトレーサビリティ(追跡可能性)も確立されており、正規店で販売されている赤福は、間違いなく安全で新鮮なものです。
Amazonやメルカリにある転売品の危険

過去の事件は解決し、今の赤福は生まれ変わりました。
しかし、現在進行形で新たな脅威となっているのが、インターネット上の「非正規転売」です。Amazon、楽天市場、メルカリ、ヤフオクなどのプラットフォームで、赤福餅が販売されているのを見かけたことはありませんか?
「伊勢まで行かなくても通販で買えるなんて便利!」と飛びつきたくなる気持ちは分かります。
しかし、これらは全てメーカーが許可していない非正規の転売品です。
多くの場合、定価よりも高い価格で販売されていますが、問題はお金だけの話ではありません。
通販は公式以外だと品質保証がない
株式会社赤福は、公式サイトにて「転売目的での購入禁止」を明確に掲げており、転売サイトや非正規販売店で購入された商品については、「品質や安全性の保証は一切できない」と強い口調で警告しています。
もし、Amazonやメルカリで購入した赤福を食べて、お腹を壊したり、異物が混入していたり、味が変質していたりしても、赤福側は一切の責任を負ってくれません。
転売業者がどのような環境で商品を保管していたのか(高温多湿な場所に放置していなかったか、不衛生な倉庫に置いていなかったか)は誰にも分からず、食品としての安全性が完全に欠落しているのです。
賞味期限が短く品質劣化の恐れがある
転売品の最大のリスクは、赤福餅の「消費期限の短さ」にあります。
赤福餅は保存料を使用していないため、消費期限は非常に短く設定されています。
赤福餅の本来の消費期限
夏期:製造日を含めて2日間
冬期:製造日を含めて3日間
考えてみてください。転売業者が伊勢で購入し、それを梱包して発送し、宅配便であなたの手元に届く頃には、どうなっているでしょうか?
最短でも翌日、場所によっては翌々日になります。
つまり、手元に届いた時点で、すでに消費期限が切れているか、期限ギリギリである可能性が極めて高いのです。
さらに恐ろしいのが、転売業者が在庫ロスを防ぐために、勝手に商品を冷凍し、発送の直前に解凍しているケースです。
これはまさに、かつての事件で行われていた「まき直し」を、素人が劣悪な環境で再現しているようなものです。
一度冷凍・解凍されたお餅は硬くなり、風味も著しく劣化します。パッケージは本物の赤福でも、中身は「品質が劣化した偽物同然の危険物」になっているかもしれないのです。
赤福の偽物に関する情報のまとめ
今回は、「赤福の偽物」というキーワードの裏にある、様々な真実について深掘りしてきました。
最後に、重要なポイントをもう一度振り返ってみましょう。
- 類似品は偽物じゃない:「御福餅」や「伊賀福」は、赤福とは異なる歴史とこだわりを持つ、立派な三重県の名物です。パクリと決めつけず、その違いを楽しんでみてください。
- 見分け方はイラストで:赤福は「橋(宇治橋)」、御福餅は「岩(夫婦岩)」がパッケージに描かれています。
- 過去の事件は解決済み:2007年の偽装事件以降、赤福は徹底した管理体制を敷いており、現在の正規商品は安全です。
- ネット転売は絶対NG:Amazonやメルカリで売られている赤福は、消費期限切れや品質劣化のリスクがある「危険な偽物」です。絶対に購入しないようにしましょう。
伊勢の美味しいお餅文化を心から楽しむためにも、赤福を購入する際は、現地の直営店や正規の販売店、あるいは公式オンラインショップ「赤福の宅配」を利用してくださいね。
そして、もし余裕があれば、赤福と御福餅を食べ比べて、それぞれの「本物の味」を堪能してみてはいかがでしょうか?


